視線追跡ツールを使うことによって、利用者が実際にどこを見ているかを確認できます。視線データの分析手法の一つにScanpathがあり、視線の動き全体を分析するために使われています。
我々はWebサーチエンジンの検索結果ページ上のScanpathに注目し、利用者の入力したクエリと、検索結果ページ内のアブストラクト(文書タイトル、スニペット、URL)における視線動線の動きの全体像を可視化するツールを作成しました。
以下のようなScanpath、クエリ、クリックしたリンクランクを一行で表現した中間形式を入力として、SVG形式の可視化出力を得ることができます。例えば、最初の行は、このユーザが「清王朝 幕末」というキーワードで検索した結果リスト上のランク1、ランク1、ランク1、ランク2、ランク2、ランク3、ランク4、ランク1という順に視線を移動していった後に、ランク1をクリックしたことを示しています:
1-1-1-2-2-3-4-1-link->(1) 清王朝 幕末 1-3-3-5-8-7-7-7-8-7-7-link->(8) 清王朝 幕末 10-10-10-10-10-10-link->(10) 清王朝 幕末 8-1-2-3-2 清王朝 幕末 1-1-1-link->(1) 清 ウィキペディア 1-1-1-1-2-2-3-3-3-3-link->(4) アヘン戦争 4-4-5-6-6-7-6-8-link->(7) アヘン戦争 7-7-9-9-2-1 アヘン戦争 1-1-1-1-1-link->(1) 朝鮮 鎖国 1-2-2-2-2-2-2-2-3-2-3-4-5-5-5-1 朝鮮 鎖国
上記のScanpath情報により以下のような可視化結果を得ることができます(SVG形式からPNG形式に変換したものです):
可視化の概要については以下の論文をご覧ください:
この可視化ツールはCRESプロジェクトによる成果です。 本研究プロジェクトは、文部科学省科学研究費補助金特定領域研究「探索・学習を支援する情報アクセス技術」(研究代表者:神門典子, A01-38, 課題番号19024068) および,国立情報学研究所共同研究「情報探索行動の認知モデルの構築とその応用に関する研究」による支援を受けました。ここに記して謝意を表します。
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